この記事のポイント
- 東京消防庁管内のリチウムイオン電池関連火災は2025年に382件と過去最多
- 道具選びは「リチウムイオン電池火災への対応」を明記した製品かどうかが分かれ目
- 「総務省消防庁 自主表示制度」の規格適合品は、国の定める技術上の規格への適合を示す
- 置き場所は家庭=充電場所の近く/車両=運転席の手の届く位置/職場=充電エリアの壁面
なぜ「備え」が分かれ目になるのか
東京消防庁管内のリチウムイオン電池関連火災は2025年に382件と過去最多を記録しました。2026年9月には走行中の電車内でモバイルバッテリーが発火する火災も発生し、大きく報道されています。モバイルバッテリー・スマホ・電動工具・電動アシスト自転車——電池は生活と現場のあらゆる場所にあり、発火は場所を選びません。
しかもこの火災は進行が速く、初期消火に使える時間はごく短いのが実情です。出火してから道具を探すのでは間に合わない以上、事前の備えがそのまま結果になります。
道具の選び方——「適合品」表示の意味
まず押さえたいのは、従来のABC粉末消火器などは「リチウムイオン電池火災への適応」を保証していないという点です。粉末で表面の炎を抑えても、電池内部の発熱(熱暴走)は止まらず、再発火の危険が残ります。選ぶべきは、リチウムイオン電池火災への対応を明記し、冷却まで考慮した製品です。
もうひとつの目安が「総務省消防庁 自主表示制度」です。エアゾール式簡易消火具などが対象で、国の定める技術上の規格に適合していることを製造者が検査・表示する制度です。規格適合品の表示があるかどうかを確認しましょう。
あわせて、容量(放射時間)・使用期間・使い方のシンプルさも確認ポイントです。詳しい比較は消火器との違いの解説記事も参考にしてください。
置き場所の考え方——「出火点の近く」が原則
- 家庭——充電する場所(寝室・リビングのコンセント周り)とキッチンの近くに。バッテリーの膨らみなど前兆に気づいたらすぐ使える位置が理想
- 車両——バス・トラックでは運転席から手の届く位置に固定。車内火災の初動対応とセットで乗務員に周知を
- 職場・倉庫——フォークリフトなどの充電エリア、整備工場の作業場など出火リスク点の壁面に。保管棚の奥ではなく、誰でも取れる場所に
備えたら、点検と共有まで
消火具には標準使用期間があります。設置して終わりではなく、期限の管理と「どこにあるか・どう使うか」の家族・従業員への共有までが備えです。職場では避難経路の確認と合わせ、年に一度は置き場所と使い方を見直しましょう。
まとめ
- リチウムイオン電池火災は事前の備えが結果を決める。2025年は東京消防庁管内で382件と過去最多
- 道具は「リチウム火災対応の明記」と「自主表示制度の規格適合品」表示が選定の目安
- 置き場所は出火点の近く——充電場所・運転席・充電エリア
- 標準使用期間の管理と使い方の共有までが「備え」
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