AIカメラ・車両用カメラの開発・販売・取付・サポート06-6151-3697 営業時間 9:00〜17:30(営業日)

工場のはさまれ・巻き込まれ災害対策|事故類型とAIカメラによる予防策

製造業で多いはさまれ・巻き込まれ災害を、実際の事故類型ごとに分解し、人検知AIカメラなど具体的な工場安全対策を整理します。

工場のはさまれ・巻き込まれ災害対策|事故類型とAIカメラによる予防策|株式会社TCI

製造現場では「はさまれ・巻き込まれ」は、転倒や墜落と並ぶ最頻クラスの災害です。それでも、日々の応急手当や軽傷で終わるケースが多く、抜本的な対策が後回しになりがちです。

この記事では、元安全管理者の立場から、実際に工場で起きている事故の型を分解し、人検知AIカメラを含む具体的な予防アプローチを整理します。安全衛生委員会や設備投資の稟議にそのまま使える整理軸を意識しています。

この記事のポイント

  • 製造業で多い「はさまれ・巻き込まれ災害」の代表的な事故類型が分かる
  • ガード・インターロックだけでは防げないケースと、人検知AIカメラが効く場面を整理
  • Detection AI・NEOオールインワンなど後付けしやすいAIカメラによる工場安全対策の考え方がつかめる

工場のはさまれ・巻き込まれ災害の現状と特徴

厚生労働省の労働災害統計では、製造業の死傷災害の原因別区分の中で「はさまれ・巻き込まれ」は毎年上位に入ります。転倒・墜落と同じ規模感で発生しており、「たまに起きる特殊な事故」ではありません。

現場で10年以上安全管理をしてきて感じるのは、同じ「はさまれ・巻き込まれ」でも、工場によってよく起きる型がまったく違うことです。例えば次のような傾向があります。

  • プレス・射出成形・ロール機が多い工場:設備内部への手・腕の巻き込まれ
  • 組立・搬送ライン:コンベヤと製品・台車との間のはさまれ
  • 物流機能を持つ工場:フォークリフト・構内トラックとの接触→車体と柱・棚の間ではさまれ
  • 天井クレーンやAGVを使う工場:移動体と設備・荷の間ではさまれ

つまり、「はさまれ・巻き込まれ対策」と一括りにしても、

  • 静止設備によるものか、移動体によるものか
  • 作業者本人の操作ミスが主なのか、周囲の別の人との関係性なのか
  • 目の前で起きるのか、死角で起きるのか

を分けて考えないと、対策が空回りします。ガード柵と標識を増やしたのに、フォークリフトと作業者のはさまれが減らない、といったケースが典型です。

製造業のはさまれ・巻き込まれ災害を4つの事故類型に分解する

安全衛生委員会で議論を整理しやすくするために、筆者は「はさまれ・巻き込まれ」を次の4つの類型に分けて、リスクアセスメントや対策検討をしてきました。

類型代表例主な原因主な対策の方向性
①加工設備内部プレス、ロール、混合機など安全装置無効化、誤操作ガード、インターロック、手元スイッチ
②搬送ライン・コンベヤローラコンベヤ、昇降装置清掃・詰まり対処中の巻き込まれ停止ロックアウト、非常停止、検知センサ
③車両・荷役機械との接触フォークリフト、構内トラック死角、飛び出し、動線交錯動線分離、AIカメラ、速度管理
④クレーン・AGVなど移動体天井クレーン、台車、AGV下・横の侵入検知不足立入禁止管理、検知システム

類型ごとに、リスクの見え方と有効な対策の「軸」が変わります。

  • ①②:機械そのものが危険源。機械の設計・ガード・インターロックの見直しが中心
  • ③④:人と移動体の位置関係が危険源。レイアウト・動線・検知システムの設計が中心

特にAIカメラが効いてくるのは、③④の「移動体が関わるはさまれ・巻き込まれ」です。ここを間違えると、数百万円かけて設備更新をしても、構内の接触事故はほとんど減らない、という結果になりかねません。

従来のはさまれ・巻き込まれ対策の限界と「死角」の問題

これまで多くの工場で取られてきた代表的な対策を整理すると、おおよそ次の3カテゴリーに分かれます。

  • 設備側対策:ガード柵、非常停止スイッチ、ライトカーテン、インターロック
  • 人側対策:KYT、指差呼称、教育訓練、作業手順書
  • 環境側対策:通路表示、立入禁止表示、警報灯・回転灯、速度制限標識

これらは今も有効で、基本として欠かせません。しかし、フォークリフトや構内トラックが関係する「はさまれ・巻き込まれ」については、次のような限界があります。

  • ドライバーから見えない「死角」に人が入っても、誰も気づかない
  • 警報灯や回転灯は「そこに車両がいる」ことを示すだけで、「ここに人がいる」までは分からない
  • 長時間の運転や繰り返し作業で、標識・表示への注意力が確実に落ちる

筆者が見てきた事故でも、フォークリフトのマストの影・荷の影・ラックの影から人が突然出てきて、逃げ場がなく柱との間にはさまれる、というパターンが少なくありません。作業者側は「見えているだろう」と思って動き、運転者側は「いないだろう」と思って曲がる。両方の思い込みの間に、「死角」という空白地帯が生まれます。

この「死角の人」をどう埋めるかが、構内のはさまれ・巻き込まれ対策の肝になります。ここで、AIによる人検知カメラという新しい選択肢が現実的になってきました。

人検知AIカメラによる工場安全対策の考え方

TCIが提供しているDetection AI(人検知AIカメラ)は、NETIS登録技術(KT-240077-A)として国交省の新技術情報にも登録されている、人検知に特化したAIカメラです。特徴はシンプルで、「AIが映像の中から人だけを検知し、警報を出す」点にあります。

ここで重要なのは、「機械の動作」を直接止めるのではなく、「人が死角に入ったこと」を早めに知らせるというアプローチだということです。従来の光電センサやレーザスキャナと比べたときの考え方の違いを整理すると、次のようになります。

項目従来の検知センサ人検知AIカメラ(Detection AIなど)
検知対象物体全般(人・荷・車両)人(人型)のみを検知
設置目的危険エリアへの「侵入」そのものを止める死角に人がいることを早期に知らせる
誤検知荷物・台車・フォークリフトでも反応しやすい人以外への反応を絞り込みやすい
設置環境範囲が限定され、遮蔽物に弱いカメラ視野内なら柔軟にカバー可能

人検知AIカメラは、次のような場面で有効です。

  • 交差点・建屋の出入口・シャッター前など、フォークリフトと人の動線が交錯する場所
  • 荷役スペースの奥側・ラックの向こう側など、運転者から見えにくいエリア
  • クレーン下やピット周辺など、「入ってほしくないが、物理的に完全には囲えない」場所

Detection AIは、死角側にカメラを設置しておき、映像の中に人が入ったときだけ警報を出す仕組みです。警報の出し方は、現場のニーズに応じて、

  • フォークリフト運転席側へのブザー・パトライト
  • 作業エリア側への音声警報「フォークリフト接近中です。停止してください」
  • 管理室のモニター・警報盤への通知

など柔軟に構成できます。TCIはフォークリフト・建機・トラック・クレーン向けのAIカメラを10年以上現場に提供しており、取付位置や警報方式のカスタマイズ対応をしているのが特徴です。

注意

AIカメラはあくまで「補助手段」であり、ガードやインターロックなど本質的安全化を置き換えるものではありません。特にプレス機・ロール機などの加工設備内部の危険源については、機械安全の専門家と相談し、JISや各種ガイドラインに沿った防護方策を優先してください。そのうえで、死角や人的ミスを補うレイヤーとしてAIカメラを検討するのが現実的です。

はさまれ・巻き込まれ対策でAIカメラを導入するステップ

実際に工場の安全担当者として、構内接触事故対策を進めるときのステップを具体的に整理してみます。ここでは、フォークリフトと作業者が混在する工場・構内を想定します。

チェックリスト:導入前に整理したいポイント

  • 過去3〜5年の「はさまれ・巻き込まれ」「接触」災害・ヒヤリハットを類型別に仕分けしたか
  • フォークリフトと人の動線交錯箇所を、図面上・現場写真上で「見える化」したか
  • 物理的な動線分離(柵・一方通行化)で解決できる箇所を先に洗い出したか
  • それでも残る「死角リスク」のあるポイントを、優先順位付きでリスト化したか
  • AIカメラ導入後、誰にどのように警報を出すのか(運転者・歩行者・管理者)を決めたか

そのうえで、AIカメラの設置ステップを簡単に示すと次の通りです。

  1. 対象エリアの選定
    まずは1〜2カ所、「ここで事故が起きると致命的だ」というポイントに絞ります。例えば、材料搬入口のシャッター前、製品倉庫のT字交差、クレーン下の養生エリアなどです。
  2. カメラ視野の検証
    カメラでカバーできる範囲と、死角になる範囲を現場で確認します。TCIでは、実際に現場でカメラを仮設し、視野を確認しながら取付位置を決めることが多いです。
  3. 警報方式の決定
    運転者側のブザーだけではなく、現場に合わせて「人の側にも知らせる」のか、「管理室にも履歴を残す」のかを決めます。
  4. 運用ルールの明文化
    「警報が鳴ったらフォークリフトは必ず一時停止する」「一定時間以上警報が続く場合は、班長を呼ぶ」など、運転者と作業者双方の行動をルール化します。
  5. 教育・トライアル運用
    1〜3カ月程度、対象エリアで運用し、誤検知・検知漏れ・運転者の負荷などを確認して微調整します。

このプロセスを踏むことで、「とりあえずAIカメラを付けたが、誰も警報を気にしなくなった」という事態を避けられます。AIカメラはあくまで「人とルールが動きやすくなる道具」と捉えるのが、導入を成功させるポイントです。

後付けしやすいAIカメラの選び方と活用例

AIカメラを工場のはさまれ・巻き込まれ対策に使うとき、現場の担当者が悩みやすいのが「工事・配線・録画」のハードルです。既設の工場で大規模な電気工事を伴うと、それだけで稟議のハードルが上がります。

TCIでは、工事不要で後付けしやすい製品構成を意識しており、例えば次のような選択肢があります。

  • Detection AI(人検知AIカメラ)
    前述の通り、死角の人だけを検知して警報するNETIS登録技術(KT-240077-A)。フォークリフトや構内トラック周辺の死角監視に向いています。
  • NEOオールインワン
    録画機能付き一体型AIカメラで、工事不要で設置できるタイプ。電源さえ確保できれば、単独で「検知+録画」が完結するので、小規模工場や一部エリアのトライアル導入に使いやすい構成です。
  • DETAI-TCI639(デュアルスペクトルAIカメラ)
    赤外線サーマル+可視光のデュアルスペクトルで、人を熱で検知できるタイプ。IP69K、-20〜70℃対応で、暗闇・粉塵・濃霧・眩惑の環境下でも人検知が可能です。屋外ヤードや高温・粉じん環境の工場構内など、通常のカメラが苦手とする環境でのはさまれ・巻き込まれ対策に向いています。

特にNEOオールインワンのような録画機能付き一体型は、

  • 1台から始められる
  • 録画をヒヤリハット分析や教育に活用できる
  • LAN配線や別体レコーダー設置の工事が不要

といった点で、「まずは危険な1カ所から始めたい」という工場に適しています。実際、筆者が関わった工場でも、最初は1〜2台を交差点に設置し、効果と運用の感触をつかんでから、他エリアへの展開を検討するケースが多くありました。

TCIはフォークリフト・建機・トラック・特殊車両まで数多くの取付実績があり、現場ごとに

  • どの機種をどこに付けるか
  • どの範囲を検知対象にするか
  • どのような音・光で警報を出すか

といった細かな設計をすり合わせながら導入を進めています。クレーン用カメラシステムのNETIS登録(KT-260016-A)も含め、建設・物流・製造といった領域で培ったノウハウを、工場構内のはさまれ・巻き込まれ対策にも活かせます。

よくある質問

はさまれ・巻き込まれ災害対策で最初にやるべきことは何ですか?

まずは「どこで、どんな型のはさまれ・巻き込まれが起きている(起きそうか)」を整理することです。過去3〜5年分の災害・ヒヤリハットを、

  • 設備内部
  • 搬送ライン
  • フォークリフト・車両との接触
  • クレーン・AGVなど移動体

の4つ程度に分類してみてください。そのうえで、物理的なガード・動線分離で対応できる部分と、死角や人的ミスが絡む部分を分けて検討します。AIカメラは後者に対して「補う」イメージで位置付けると、稟議もしやすくなります。

AIカメラは誤検知や検知漏れが不安ですが、現場で運用できますか?

AIカメラも万能ではなく、設置環境や視野設定によっては、誤検知・検知漏れが生じる可能性があります。そのため、

  • 最初から全エリアに一気に導入しない
  • 1〜2カ所でトライアル運用し、検知条件やカメラ角度を調整する
  • 「警報が鳴ったらどうするか」の運用ルールを決めてから本格導入する

というステップを踏むことが現実的です。TCIでは現場での検証・調整を重視しており、フォークリフト・クレーンなど移動体との組み合わせでの導入実績をベースに、個別の環境に応じた設定の提案を行っています。

小規模工場でもAIカメラによるはさまれ・巻き込まれ対策を導入する価値はありますか?

規模に関わらず、「フォークリフトと人が同じエリアを動いている」「死角がある」という条件がそろっていれば、AIカメラ導入の検討価値はあります。むしろ少人数の工場ほど、同じ人が運転と作業を兼務しており、「見張り役」を置きにくいケースが多いと感じます。

NEOオールインワンのような工事不要の一体型AIカメラであれば、シャッター前や倉庫入口など、事故が起きると致命的な1〜2カ所に絞って導入することも現実的です。録画機能を活かして、ヒヤリハットの振り返りや教育にも活用できます。

まとめ

  • 製造業の「はさまれ・巻き込まれ」は、加工設備だけでなく、フォークリフトやクレーンなど移動体との接触が大きな割合を占める
  • 事故を「設備内部」「搬送ライン」「車両・構内トラック」「クレーン・AGV」などの類型に分解して対策を考えると、議論が整理しやすい
  • ガードや標識だけでは、フォークリフト周りの「死角の人」を守り切れないケースが多い
  • Detection AIなど人検知AIカメラは、死角に入った人だけを検知して警報することで、構内のはさまれ・巻き込まれを減らす補助手段となる
  • NEOオールインワンなど工事不要タイプを使えば、小規模工場や一部エリアから段階的にAIカメラ対策を始めることができる

TCIは大阪市淀川区に本社を置く、フォークリフト・建設機械・トラック・クレーン向けAIカメラ/安全カメラの専門メーカーです。車内置き去り防止装置で世界5万台以上の実績を持ち、工事不要の無線カメラやNETIS登録の人検知AIカメラDetection AIなど、後付けしやすい製品で現場の安全対策を支えてきました。自社工場のはさまれ・巻き込まれ対策について、「どこにどんなAIカメラを付けるべきか」段階的に相談したい場合は、06-6151-3697 もしくは弊社サイトのお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。