
建設現場や運送業で欠かせないユニック(クレーン車)や積載車。そのリモコンを紛失してしまうと、業務停止だけでなく高額な交換費用が発生します。今回は、現場でのリモコン紛失による実際の損失と、効果的な対策方法をご紹介します。

目次
ユニック・積載車リモコン紛失による実際の損失

ユニック(クレーン車)リモコンの交換費用
ユニック車のリモコンは精密機器のため、交換費用は非常に高額です。
- 純正リモコン:50,000円~150,000円
- 互換リモコン:30,000円~80,000円
- 出張設定費:10,000円~30,000円
タダノ、古河ユニック、加藤製作所など、メーカーによって価格は異なりますが、どれも高額な部品です。特に最新機種のリモコンは10万円を超えることも珍しくありません。
積載車リモコンの交換費用
積載車のリモコンも、車両の重要な操作を司るため高価な部品です。
- 純正リモコン:40,000円~120,000円
- 互換リモコン:25,000円~70,000円
- プログラミング費:15,000円~40,000円
極東開発、新明和工業、矢野特殊自動車などの積載車メーカーでは、安全性を重視した専用リモコンを採用しているため、交換費用も高額になります。
業務停止による間接的損失
リモコンがないと車両を使用できないため、以下の損失が発生します。
- 作業遅延による損失:1日あたり50,000円~200,000円
- 代替車両レンタル費:1日あたり30,000円~80,000円
- 人件費の無駄:1日あたり20,000円~60,000円
現場によっては、リモコン1つの紛失で数十万円の損失につながることもあります。
なぜ現場でリモコンが紛失しやすいのか?

建設現場での紛失原因
建設現場では、家庭とは全く異なる厳しい環境でリモコンを使用します。
- 作業着のポケットから落下:高所作業中や移動中に落とす
- 重機周辺での紛失:土砂や資材に埋もれる
- 作業員の交代時:引き継ぎ時に所在不明
- 雨天時の紛失:滑りやすい手からの落下
- 夜間作業での紛失:暗闇で見失う
特に、安全帯を着用した高所作業では、リモコンが落下しやすく、地上に落ちても気づかないことが多々あります。
運送現場での紛失原因
運送業界では、時間に追われる中でリモコンの管理が疎かになりがちです。
- 荷物の積み降ろし中:作業に集中してリモコンを放置
- 運転席からの落下:乗り降り時にポケットから落ちる
- 休憩時の置き忘れ:コンビニや食堂での忘れ物
- 他の作業者との混同:複数台の車両がある現場
紛失リスクの高い環境
以下のような環境では、特にリモコンの紛失リスクが高くなります。
- 土砂や資材が散乱している現場
- 複数の作業員が同じ車両を使用
- 夜間作業が多い現場
- 雨天での屋外作業
効果的なリモコン紛失対策グッズ

業務用リモコンホルダー・ケース
現場作業に特化した頑丈なホルダーです。
特徴
- 耐衝撃・防水仕様
- 作業着に確実に固定
- 価格:2,000円~8,000円
安全帯のDリングに取り付けるタイプや、作業着の胸ポケットに確実に固定できるクリップ式など、現場の状況に応じて選択できます。特に高所作業では、リモコンの落下防止が安全上も重要です。
産業用紛失防止トラッカー
業務用に設計された、より耐久性の高いトラッカーです。
業務用仕様
- 防水・防塵(IP65以上)
- 長時間バッテリー(1年以上)
- 価格:8,000円~25,000円
一般的なAirTagやTileとは異なり、建設現場の過酷な環境に対応した業務用トラッカーが開発されています。GPS機能付きで、広い現場でも正確な位置を特定できます。
リモコン専用チェーン・ストラップ
最もシンプルで確実な紛失防止策です。
実用的な特徴
- ステンレス製チェーン(錆びにくい)
- 作業の邪魔にならない適度な長さ
- 価格:500円~3,000円
作業着のベルトループや安全帯に取り付けることで、リモコンの完全な紛失を防げます。チェーンの長さは作業性を考慮して50cm程度が最適です
車両固定式リモコンホルダー
キャビン内にリモコンを確実に固定するアイテムです。
設置タイプ
- ダッシュボード取り付け式
- ドア内側マウント式
- 価格:3,000円~12,000円
運転席から手の届く位置に設置し、使用後は必ず戻すルールを徹底することで紛失を防げます。マグネット式や両面テープ式など、車両を傷つけない取り付け方法を選択できます。
予備リモコン管理システム
万が一に備えた予備リモコンの管理システムです。
管理方法
- 事務所での集中管理
- 貸し出し記録の徹底
- 価格:リモコン代+管理費
予備リモコンを事務所で管理し、紛失時には即座に代替品を提供できる体制を整えます。複数台の車両を運用している会社では、効率的な管理システムが重要です。
現場ですぐに実践できる紛失防止対策
作業手順の見直し
日常の作業手順に紛失防止策を組み込むことが重要です。
- 作業開始前の確認:リモコンの所在と動作確認
- 使用中の固定:ストラップやホルダーの確実な装着
- 作業終了後の収納:指定場所への確実な保管
- 交代時の引き継ぎ:次の作業者への確実な引き渡し
特に、作業開始前と終了後のチェックリストにリモコンの確認を含めることで、紛失リスクを大幅に減らせます。
会社全体での取り組み
個人の注意だけでなく、会社全体での取り組みが効果的です。
- 紛失防止教育の実施:新人研修での意識向上
- 紛失時のペナルティ制度:責任感の向上
- 優良事例の共有:効果的な対策の水平展開
- 定期的な点検:リモコンの状態確認
紛失したドライバーが交換費用を負担するルールを設けている会社もあり、これにより紛失率が大幅に減少しています。
RemoSafe(リモセーフ)の登場

作業ルールを定めていても、日々多忙を極める現場では、どうしてもリモコンの戻し忘れといった“うっかり”が発生してしまいます。
さらに、忘れたことにすぐ気づけず、次の作業に支障が出るケースも少なくありません。
こうした課題に対し、株式会社TCIでは原始的でありながら確実なリモコン紛失防止装置を開発しました。
その名も『Remosafe(リモセーフ)』です。
リモセーフの特長
- エンジン始動と連動し、自動でシステムが起動
→ 電源の入れ忘れなし。常に確実に作動します。 - リモコンが台座に戻されていないときのみアラームが発報
→ 作業完了後の「置き忘れ」を確実に防止します。 - PTO(動力取出装置)作動中はアラームOFF
→ 作業中にアラームが鳴ることはなく、快適な作業環境を確保。 - 12V/24Vの両方に対応
→ ユニック車・積載車をはじめ、さまざまな車両に取り付け可能です。
ちょっとした「忘れ」が、大きなタイムロスや再訪問につながる。そんな現場の声をもとに開発されたリモセーフは、業務効率の向上と現場の信頼性確保に貢献します。すでに多くのユニック車・積載車にて導入が進んでいます。
まとめ:現場の安全と効率を守る投
ユニック・積載車のリモコン紛失対策は、業務の継続性、作業の安全性、そして会社の信頼性を守る重要な投資です。
多忙な現場では、どうしてもリモコンの戻し忘れといった”うっかり”が発生してしまいます。こうした課題に対し、株式会社TCIでは原始的でありながら確実なリモコン紛失防止装置『Remosafe(リモセーフ)』を開発しました。
数千円の対策グッズで、数十万円の損失を防ぐことができます。特に高所作業が多い建設現場、複数の作業員が同じ車両を使用する現場、夜間作業や雨天での屋外作業が多い現場では早急な対策が必要です。
小さな投資で大きな損失を防ぎ、安全で効率的な作業環境を実現しましょう。
